ジュラシック・プレデター
俺は、君のためにこそ死ににいく
特攻隊員と鳥濱トメの交流という史実を題材として取り上げたこと、タイトルの「君」が天皇の暗喩であること、製作総指揮・脚本を、右翼的言動で話題になることが多い石原慎太郎が手がけた(石原は生前の鳥濱トメと交流があり、その際に聞いた特攻隊員の話を元に、フィクションを加えて脚本を執筆した)ことで、制作前から「太平洋戦争賛美・右翼的表現の多い映画ではないか?」とする意見があり、主に左派から批判を受けた。
左派的な言動が多い井筒和幸が監督した『パッチギ! LOVE&PEACE』と同時期に上映されたこともあり、井筒は上映前からこの映画を「戦争の美化映画」等と評して、映画本編を見ない状態で批判した。この一連の井筒の批判に対して、出演者である窪塚洋介は映画の記者会見にて「映画を観てから評論して欲しい」「この映画を見て、戦争賛美だというヤツはアホ(井筒)だと思う。もう一回見た方がいい。見る前に言うヤツはアホ。右だ左だというけど、鳥は両方の翼がないと飛べないという思いで、日々生きています」と反論。監督の新城卓も「映画を見てからコメントしてほしい。それがお互いの礼儀でありルール。パフォーマンスとしての発言は、やがて本人に返ってくる」「沖縄県出身で国歌も聞いたことなく上京しました。右翼というのならどうぞ。史実をとらえありのままに描きました」とコメントした[2]。また、井筒は、石原に対して、一方的に「映画なら俺が先輩やから先に観に来て欲しい。そしたら観に行こ」等と相互交流を提言[3]したが、実際には、石原のほうが、1958年に映画「若い獣」の初監督を務めている(当時井筒は6歳である)ほか、初監督作以前から現在に至るまで多数の映画脚本を執筆している映画界の大先輩であったこともあり、反応はなかった。
2008年9月20日にWOWOWで放送された際には、弁護士の杉浦ひとみが、自らのブログにて、同日フジテレビにて放送された同じ題材を扱った『なでしこ隊〜少女達だけが見た“特攻隊”封印された23日間〜』と比較し、テレビ欄で見かけた本作のタイトルと製作総指揮が石原であるという記載だけで、内容を未見のまま「事実を違う視点から捉えて実態と違うものを教えている」と批判した(後に「[推敲不足」だったとして当該記載の本文から内容批判は消去したが、コメントにて「内容がタイトルとは違っていたらいい」と、本作について否定的見解を続けた)[4]。
総制作費18億円に対して興行収入は億単位で届かず、本作は興行的に失敗した。この件について、製作総指揮・脚本を担当した石原慎太郎は、「わたしの弟子(新城卓監督)がお金を使いすぎて、あまりもうからなかった」と言及した。
岸惠子
徳重聡
窪塚洋介
筒井道隆
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