色即ぜねれいしょん
優しい両親、平凡な毎日、それが僕のコンプレックス。
安田講堂が陥落し、学生運動も下火になった1974年、京都。乾純は、仏教系男子校に通う高校一年生。ヤンキーたち体育会系が幅を利かせてる学校では肩身が狭く、家では優しすぎる両親にかわいがられ・・・・・・、ボブ・ディランに憧れてロックな生き方を目指しているけど、何かに反抗する勇気もない。おまけに、小学校の頃から片想いしてる足立恭子には告白すらできない。平凡で悶々とした日々を暮らしていた。
「行かへん?旅」
ある日、純は同じく文科系男子の伊部と池山から隠岐島への旅に誘われる。彼らによると、隠岐島のユースホステルにはフリーセックス主義者が集まるらしく、そこに行けば“モッテモテ”になるという。数日後、重いギターケースと旅行バッグを手にした純は、待ち合わせ場所である京都駅でタバコに火をつける。気分はすっかりロックミュージシャン。合流した伊部と池山に「ギターなんてずるい!」とからかわれながら、夜行列車とフェリーを乗り継いで、浮かれ気分で隠岐島へと向かう。
「これがフリーセックスの巣窟・・・・・・?」
想像よりはるかにショボいユースホステルの外観に3人はがっかりする。しかし「世界一自由な場所を作りたい」とデカすぎる夢を熱く語るヘルパーのヒゲゴジラや、母親以外の女性で初めて仲良くなった女子大生のオリーブたちとの自由で気ままな時間が3人を魅了していく。そして知らず知らずのうちに、夏の旅は3人の絆をも深めていく。あっと言う間に島を去る日がやってくる。フリーセックス主義者は結局ひとりも見つけられなかったが、いくつもの出会いと別れを経験した3人はちょっぴり大人になれた気がしていた。
夏休みが明けて二学期。学校も家も何ひとつ変わっていなかったが、純の中には何かが芽生え始めていた。自由を感じた島での時間、オリーブとの再会、ヒッピー風(?)家庭教師からの妙なアドバイス、そして授業で始めて意味を知った“色即是空”という言葉に後押しされ、純は文化祭のコンサートに出演することを決意する・・・・・・。
渡辺大知
峯田和伸
岸田繁
堀 ちえみ
リリー・フランキー
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