14歳
13歳は「子ども」で、15歳になると「大人」と呼んでいいかもしれない。では、14歳は…? その年齢の微妙さ、曖昧さ。すべてに過剰に反応し、この時期の心の傷は大人になっても残り続ける。そんな感覚を鋭く突きつけてくる作品だ。14歳のときに学校への放火を疑われ、教師に彫刻刀を突き立てた経験を持つ中学教師・深津稜。その現場に居合わせ、現在は測量士となっている杉野浩一。再会したふたりと、現在、14歳の中 学生たちの悲痛な運命が交わっていく。
ひとつひとつのシーンが、過剰なまでの緊迫感を保ち、キリキリと胸を締めつけてくる。深津が、教室で生徒から浴びせられる冷酷な一言や、杉野が、かつての自分と重ね合わせる少年への仕打ちなど、あまりにリアルな切実さで描かれるのだ。痛々しいドラマのなか、いじめられている少年の母親が、彼の部屋に入るときの描写を始め、思いがけないほど優しさに満ちたシーンもあり、そのコントラストが絶妙。「群青いろ」としてユニットを組む高橋泉と廣末哲万の作品で、本作に関しては高橋が脚本を書き、廣末が監督と杉野役を担当する。その杉野の抑制した演技が効果的。14歳を演じる若い俳優たちも切迫感に溢れており、登場人物たちの痛みを、観ている間ずっと共有してしまうはずだ。
廣末哲万
並木愛枝
藤井かほり
渡辺真紀子
香川照之
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