海のトリトン 前編 後編
年老いた漁師の一平に岬で拾われた緑の髪の赤児は「トリトン」と名づけられ育てられるが、不吉な髪の色として疎外される。ある日、一頭の白いイルカ「ルカー」に出会う。ルカーはトリトンが人ではなく、海棲人類トリトン族の最後の生き残りであること、トリトン族は七つの海を支配し暴虐の限りを尽くす、ポセイドン族と戦う運命にあることを告げる。トリトンはイルカの言葉が判ること自体に狼狽し、それを信じようとしなかったが、一平がトリトンと一緒に拾ったトリトン族の衣装と宝物「オリハルコンの短剣」を発見し、ルカーのいうことが真実だと知る。その時、トリトンを発見したポセイドン族の尖兵が漁村を襲い、トリトンは村を救うため、海への旅立ちを決意する。トリトン族の他の生き残りを探すため、父母の仇、村の仇であるポセイドン族を倒すために。
苦難の旅の果て、ポセイドン族の本拠地へのりこんだトリトンは衝撃の真実を知る。ポセイドン族はアトランティス人によってポセイドンの神像の人身御供として捧げられた人々の生き残りであった。そして、ポセイドン族に滅ぼされ、わずかに残ったアトランティス人が「トリトン族」としてポセイドン族に復讐するための武器が「オリハルコンの短剣」だった。ポセイドン族がトリトン族を殺戮してきたのは、あくまでも自らの身を護るためだったのだ。
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