生きものの記録
生きものの記録 [ 三船敏郎 ] |
鋳物工場の経営者・中島(三船敏郎)は、あるときから原水爆に異様な関心を示すようになり、全財産を処分して家族全員でブラジルへの移住を企てるが、反対する家族の者たちは裁判所に彼を準禁治産者とする申請を申し立てる。やがて申請は承認され、そのショックと疲労などで中島は狂乱の行動に出てしまう…。
彼が狂っているのか、水爆をもつ現代社会が狂っているのかを厳しく問いかける、黒澤明の社会派メッセージ映画。三船は頭を白く染めて、初の老人役を熱演。また、本作は初期黒澤映画になくてはならない名作曲家・早坂文雄の遺作ともなったが、そもそもこの企画は、ビキニ環礁での水爆実験のニュースを聞いた早坂が、黒澤に「こう生命をおびやかされては仕事ができないねえ」と何げなく語った言葉がきっかけとなって生み出されたものであった。
三船敏郎
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