北京的西瓜
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千葉県船橋市に住む八百屋「八百春」の主人が、物価の高い日本での生活に苦しむ中国人留学生の面倒を善意で見ている。その日常と留学生たちとの友情を映画で描こうと、大林宣彦監督は考えた。1988年5月にクランクイン。映画の撮影は順調に進み、国内部分の撮影は終了。残すは八百春の主人夫妻(ベンガル、もたいまさこ)が中国で、かつての留学生たちと再会するシーンの撮影のみ。ところが6月4日、天安門事件が起きてしまう。大林監督はこの映画の製作を中止するか、あるいは延期か、脚本を書き直すかの選択を迫られる。やがて下された決断とは、中国での撮影を中止し、飛行機で渡航する主人公たちのシーンを37秒間の空白で処理、飛行機の音だけを流すという手法を用いることであった。劇中でもベンガルの口から事情が説明される。
こうした、映画と現実が衝突してまった状況について大林監督は「これは我々の敗北である。映画は表現をしなくてはいけない」と語る。しかしながら現実を題材とした映画をつくる中で、現実を無視した虚構をドラマとするわけには行かないという、大林の作家として、大人としての姿勢は充分に伝わってくる。空白の映像に、大林は激しい怒りと涙をこめたのではないだろうか。
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もたいまさこ
峰岸徹
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