伊豆の踊子
木村拓哉主演!余りにも有名な、淡く清冽な恋を描いた青春小説のドラマ化!恩地日出夫監督再演... |
20歳の一高生の「私」は、自分の性質が孤児根性で歪んでいると厳しい反省を重ね、その息苦しい憂鬱に堪え切れず、一人伊豆への旅に出る。「私」は道中で出会った旅芸人一座の一人の踊子に惹かれ、彼らと一緒に下田まで旅することになった。一行を率いているのは踊子の兄で、大島から来た彼らは家族で旅芸人をしていた。「私」は彼らと素性の違いを気にすることなく生身の人間同士の交流をし、人の温かさを肌で感じた。そして踊子が「私」に寄せる無垢で純情な心からも、「私」は悩んでいた孤児根性から抜け出せると感じた。
下田へ着き、「私」は踊子やその兄嫁らを活動(映画)に連れて行こうとするが、踊子一人しか都合がつかなくなると、踊子は母親から活動行きを反対された。明日、東京へ帰らなければならない「私」は、夜一人だけで活動へ行った。暗い町で遠くから微かに踊子の叩く太鼓の音が聞えてくるようで、わけもなく涙がぽたぽた落ちた。
別れの旅立ちの日、昨晩遅く寝た女たちを置いて、踊子の兄だけが「私」を乗船場まで送りに来た。乗船場へ近づくと、海際に踊子がうずくまって「私」を待っていた。二人だけになった間、踊子はただ「私」の言葉にうなずくばかりで一言もなかった。「私」が船に乗り込もうと振り返った時、踊子はさよならを言おうしたようだが、もう一度うなずいて見せただけだった。船がずっと遠ざかってから踊子が艀で白いものを振り始めた。「私」は伊豆半島の南端がうしろに消えてゆくまで、ずっと沖の大島を一心に眺めていた。船室で横にいた少年の親切を「私」は自然に受け入れられるような気持になり、泣いているのを見られても平気で、涙を出るに委せていた。「私」の頭は澄んだ水のようになって、それがぽろぽろと零れ、その後には何も残らないような甘い快さだった。
早勢美里(早瀬美里)
木村拓哉
加賀まりこ
柳沢慎吾
飯塚雅弓
大城英司
石橋蓮司
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