家路
震災後の福島。次郎(松山ケンイチ)は、立ち入り禁止区域となった故郷に帰ってくる。そこに現れた同級生の北村(山中崇)とともに思い出の地を巡るうち、次郎は自らのことを話し始める。必死に働く母と、地域の実力者だった父、腹違いの兄という家族のなかで複雑な少年時代を過ごした彼は、ある“事件”の罪をかぶって故郷を出た。もう二度と帰らないことを決意していたが、無人になった今だからこそ戻ってきたのだ。一方、震災の影響によって、先祖代々受け継いだ土地から離れることを余儀なくされた次郎の母・登美子(田中裕子)と、前妻の子である兄・総一(内田聖陽)は、狭い仮設住宅で一緒に暮らしている。農家の長男として生まれ育った総一にとって、厳格だった父から受け継いだ田畑を失うことは、故郷とともに自尊心を失うことでもあった。不条理な現実に希望を見出すことのできない彼は、心身ともに疲れ果てていた。総一の妻・美佐(安藤サクラ)は仮設住宅での生活から逃れるように、娘を登美子に預け、昔のようにデリヘルで働いていた。
次郎:松山ケンイチ
総一:内野聖陽
登美子:田中裕子
美佐:安藤サクラ
北村:山中崇
総一の友人:田中要次
総一の友人:光石研
次郎と総一の父:石橋蓮司
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