桃太郎の海鷲
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『桃太郎の海鷲』(ももたろうのうみわし)は、日本政府より国策アニメ映画製作の命を受け、1942年に芸術映画社で製作され、戦時下の1943年3月25日に公開された日本初の国産長編アニメ。
海軍省が製作協力とテロップ表記があるが実際は「軍事機密」を理由に、この作品ではほぼ協力は得られていない。
日本海軍がハワイを奇襲した真珠湾攻撃をモデルにしており、桃太郎を隊長とする機動部隊が鬼ヶ島へ「鬼退治(空襲)」を敢行し、多大な戦果を挙げるという内容である。
当時の子供たちである少国民を対象に戦意高揚目的に制作された映画ではあるものの、随所に平和への願いが暗示されている箇所がある。また、この時の興行収入は64万円であった。(当時の米一升が公定価0.5円)
姉妹編に『桃太郎 海の神兵』(1945年)がある。
制作前、瀬尾は海軍将校から制作の参考のためとして(日本軍が占領地で接収した)ディズニー映画を鑑賞する機会を持ったが、生き生きとしたキャラクターの動きやカラー製作、当時の日本とは比べようもない制作技術の高さに衝撃を受け「これは勝てない」と考えたという(『その時歴史が動いた』第十三回[出典無効])
(補遺) 持永只仁著『アニメーション日中交流記 持永只仁自伝』(東方書店、2006年)によると「桃太郎の海鷲」完成後に、持永只仁は瀬尾より海軍省の試写室で「ファンタジア」などを見た話を聞いている。
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